陰虚とは、こころとからだを潤しそれらの働きを円滑にする水が不足して、皮膚や筋肉、神経、内臓などの細胞の働きが低下した状態です。
この体質の方を一言でいうと、「カラカラさん」です。
心身を潤すための水分が不足しています。水は、リンパ液や細胞間液、脳脊髄液、細胞内液など体液全般を意味しますので、皮膚や粘膜だけでなく、脳や脊髄の神経細胞、肝臓など内臓の細胞などを潤しています。
乾燥に弱いので、外気と触れる皮膚やのど、気管などにまず症状が現れます。アトピー性皮膚炎、慢性扁桃腺炎、口内炎、咳喘息や気管支炎などが起こります。また、内臓の潤い不足から臓器が熱を持ちオーバーヒートして、肝炎や膵炎、腎炎、肺炎などが起こります。
こころに潤いがないと精神的な余裕がなくなり、感情的になりやすく、すぐに怒ったり、イライラしたりします。動悸や不眠、めまい、耳鳴りが起こることもあります。
このページでは、陰虚体質をさらに弱っている臓器によって細分化し、それらの改善方法についてもやさしく説明します。
体質の判定
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↓
(目次)
1 肺陰虚(はいいんきょ)
・主な症状・病気
・おすすめの改善方法
2 腎陰虚(じんいんきょ)
・主な症状・病気
・おすすめの改善方法
3 肺腎陰虚(はいじんいんきょ)
・主な症状・病気
・おすすめの改善方法肝陰虚(かんいんきょ)
4 肝陰虚(かんいんきょ)
・主な症状・病気
・おすすめの改善方法肝陰虚(かんいんきょ)
5 心陰虚(しんいんきょ)
・主な症状・病気
・おすすめの改善方法
6 心腎陰虚(心腎不交)(しんじんいんきょ)
・主な症状・病気
・おすすめの改善方法
7 肝腎陰虚(かんじんいんきょ)
・主な症状・病気
・おすすめの改善方法
8 肝腎陰虚(肝陽上亢)(かんじんいんきょ)
・主な症状・病気
・おすすめの改善方法
9 まとめ
肺陰虚(はいいんきょ)
肺陰虚とは、肺や気管、皮膚、粘膜の水が不足して炎症を起こし、呼吸機能や皮膚バリア機能が乱れている状態です。
主な症状
肺陰虚の方が感じる主な症状は、次のとおりです。
・鼻や口内の乾燥
・乾燥肌
・口唇割れ
・声枯れ
・空咳
・鼻づまり
・口渇
・身体の熱感(時に冷感)
・夜間や疲労時の手足のほてり
・盗汗
改善方法
肺陰虚の方に有効な養生方法は、次のとおりです。
アレルギー疾患は様々な原因が複合している
外部環境の変化は、時には人に命に関わる影響を及ぼします。細菌など病原菌から身体を守るために、免疫機能があります。それ機能が乱れ、誤って反応したり過剰に反応することがアレルギーです。
アレルギー反応は、病原菌などの物質だけでなく、外部環境の変化全般に反応します。例えばアレルギー性鼻炎では、暖かい部屋の中から急に冷たい外の空気に当たると、くしゃみや鼻水が激しく出ることがあります。
花粉症も杉花粉だけでなく、ディーゼル車などからの排気ガスが悪化要因として関与しています。このようにアレルギーは様々な原因が複合して起こります。アレルギー疾患の対処には、まずできることから確実に改善することです。
まずは食生活の改善を
体質は、遺伝と生活習慣で作られます。遺伝子治療が研究されていますが、まだ実用化はかなり先です。そこで、今できることは生活習慣を改善することです。その中でも、食事は大きなウエイトを占めています。
糖分・脂肪分・コレステロールを少なめにすることは、糖尿病や高血圧など生活習慣病だけでなく、アレルギー体質の改善にも大切です。
コーヒーやココアは良い面もありますが、鼻や目、のどや気管などを乾かし炎症を助長する作用がありますので、粘膜が敏感なアレルギー体質の方は控えてください。
また、唐辛子など刺激の強い香辛料も、粘膜の弱い人にはいけません。いずれも肺と皮膚の陰虚を悪化させます。さらに、ヒスタミンやロイコトリエンを含むアレルギー誘発食品も控えてください。
食物アレルギーがある場合は、次のアレルギー誘発食品を控えてください。
○肉類(特に鮮度の低いもの)
・牛肉
・鶏肉
○魚介類(青魚/鮮度の低いもの)
・サバ
・カツオ
・エビ
・カニ
・イカ
・タコ
○ナッツ類
・ピーナッツ
・アーモンドなど
○油脂類(酸化した油脂)
・ラード
・スナック菓子
○その他刺激物
・トウガラシ
・コショウ
・チョコレート
・アルコール飲料
子のアトピー性皮膚炎は親のプレッシャーで悪化する
アトピー性皮膚炎が子供の成長に悪い影響はありません。子供の成長には、多少の病気や試練が必要な時もあります。むしろ母親の心配や不安な気持ちが、子の成長に悪影響を与えます。
皮膚の病気は常に目に見えるため、気になるものですが、気にすれば気にするほど、痒くなり触ってしまい悪化させます。そばに寄り添って自然体で子供に接してあげてください。
咳喘息はしっかりと粘膜を潤し修復する
アレルギー体質の方の風邪後に長引く咳は、咳喘息またはアトピー咳と呼ばれます。喉から気管の粘膜が荒れて過敏になって咳が出たり、荒れた粘膜から滲出液が出て、痰が出て咳を誘発しています。
粘膜をしっかりと修復して、粘膜の過敏さが鎮まれば、咳が出なくなります。体質改善に努めましょう。
肺陰虚の方に有効な漢方薬をご案内します。
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腎陰虚(じんいんきょ)
腎陰虚とは、腎臓や副腎の潤いが不足して炎症や細胞障害を起こして、腎機能や副腎機能が乱れている状態です。
主な症状
腎陰虚の方が感じる主な症状は、次のとおりです。
・排尿異常(頻尿・尿量減少)
・口渇
・身体の熱感
・手足のほてり
・盗汗
・頭ふらつき
・ぼーっとする
・耳鳴り
・だるさ
・顔や手足のむくみ
・性欲減退
・夢精
・無月経
改善方法
腎陰虚の方に有効な養生方法は、次のとおりです。
透析に至る腎症
腎臓は、血液中に溜まった老廃物を漉し取り、排泄する仕事をしています。漉し取る場所を糸球体と呼び、細い血管がたくさん集まり、フィルターを形成し、そこでタンパク質や糖分など体に必要なものは回収し、それ以外の不要物を排泄します。
血液中の糖分が多くなると、血液がベトベトして粘度は高くなります。すると糸球体の細い血管は詰まり始め、その詰まりが広がると糸球体内の圧力は上昇し、遂には破裂します。
フィルターに穴が開き、網の目が粗くなり、体に必要なタンパク質や糖分まで通り抜け尿に出てしまいます。これがタンパク尿あるいは糖尿です。
このようになると腎臓の糸球体は、ざるのように何でも通し腎臓として機能しなくなります。透析しないと体内に溜まった老廃物を排泄できない、腎不全の状態です。
腎臓病の食事(タンパク質・塩分・カリウム・水分)
タンパク質を多く摂り過ぎると、腎臓からしか排泄されない尿素窒素やクレアチニン等が多くなり、腎臓への大きな負担になります。
しかし、あまり食事中のタンパク質を減らすと、体内のタンパク質が分解されエネルギー源になり、血中の尿素窒素が増えるため、タンパク質の摂取量には注意が必要です。
慢性腎臓病ではナトリウムを排泄する能力が落ちていますので、塩分は控えましょう。特に高血圧の方は塩分摂取に注意しましょう。
さらに腎機能が低下して血液中のカリウム量が多くなり過ぎた時には、カリウムの摂取制限が必要になります。カリウムは水に流出しやすいので野菜・イモ類は小さめに切ってから茹でこぼすか水にさらしてから調理しましょう。また、水分の制限が必要になる場合もあります。
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肺腎陰虚(はいじんいんきょ)
肺腎陰虚とは、肺や気管、皮膚、粘膜の水が不足して乾燥して炎症を起こし、さらに腎臓や副腎の潤いが不足して炎症や細胞障害を起こして、呼吸機能と腎機能、副腎機能が乱れている状態です。
主な症状
肺腎陰虚の方が感じる主な症状は、次のとおりです。
・咳嗽
・息切れ
・鼻や口内乾燥
・声枯れ
・乾燥肌
・口唇割れ
・口渇
・口内炎
・身体の熱感(時に冷感)
・夜間や疲労時の手足のほてり
・盗汗
・足腰のだるさ
・ふらつき
・耳鳴り
・頻尿
改善方法
肺腎陰虚の方に有効な養生方法は、次のとおりです。
喫煙は止めて腹式呼吸を実践
喫煙は、気管や肺の粘膜の潤いを奪うだけでなく肺胞を壊します。肺腎陰虚が進行して、肺胞のダメージが進み血中の酸素濃度が低下した状態は、肺気虚となります。この時点でしっかりとした対処が必要です。
腹式呼吸で肺の隅々まで空気を送り込める身体にしましょう。
仰向けになり鼻から息を大きく吸い、その息をお腹に一旦溜めように膨らませ、ゆっくりと口から吐きます。この時に横隔膜と腹筋の動きを意識してください。朝起床前と夜就寝前にこの動きを10回繰り返してください。
毎日継続することで、空気が肺の奥まで行き渡り、多くの肺胞から酸素を取り込め、息切れやだるさが軽減して、さらに風邪を引きづらくなります。汗腺の調節が良くなり、異常な発汗が減り、寒さにも強くなります。
のどの渇きが強い高張性脱水
多量な発汗や年齢的な体液の減少などにより、ナトリウムなど体内の塩分は不足せずに水分のみを多量に失った状態を高張性脱水と呼びます。これが肺腎陰虚の状態で、白虎加人参湯が適します。
一方、激しい下痢と嘔吐で水分とともに塩分も多量に失った状態は低張性脱水と呼びます。こちらは脾胃湿熱で五苓散が適用します。
水分補給と保湿が大切
少しずつこまめに水分を摂取してください。
皮膚の保湿も、クリームやローションなど少量ずつこまめに塗るようにしてください。粘膜や皮膚の細胞の中まで、しっかりと水分が浸透するようにじっくりと時間をかけて潤してください。
また、細胞内へ水分を浸透させるためには、補給する飲み物や保湿ローションなどは、体液に近い状態にイオン濃度を調整したものがお勧めです。
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肝陰虚(かんいんきょ)
肝陰虚とは、肝臓の潤いが不足して炎症や細胞障害を起こして、解毒代謝の機能が低下して老廃物の運搬と塩分の維持が滞り、運動機能の調節が乱れている状態です。
主な症状
肝陰虚の方が感じる主な症状は、次のとおりです。
・足つれ
・こむら返り
・筋肉つれ
・脇胸部張り
・だるさ
・かすみ目
・ドライアイ
・まぶしい
改善方法
肝陰虚の方に有効な養生方法は、次のとおりです。
筋肉のつれには冷えと塩分
ミネラルバランスに注意してください。
足つれやこむら返りは、だれにでも起こる症状ですが、その原因は多岐にわたっています。筋肉の疲労と冷えによる血行不良、脱水による水分や塩分の不足が一般的で、さらに、慢性肝炎や肝硬変、糖尿病、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、閉塞性動脈硬化症などの病気が原因となる場合もあります。
血行不良や塩分とミネラル分不足などで筋肉と神経の連携が乱れて、脊髄から反射的に誤った指令が出されて、筋肉が痙攣するように収縮するのです。
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心陰虚(しんいんきょ)
心陰虚とは、心臓と大脳の潤いが不足して、炎症や細胞障害を起こして、血液循環や認知機能が乱れている状態です。
主な症状
心陰虚の方が感じる主な症状は、次のとおりです。
・のぼせ
・焦燥
・手足のほてり
・口や喉の乾き
・口渇
・口内炎
・目充血
・盗汗
・寝つきが悪い
・不安感
・物忘れ
・頭ふらつく
・動悸
・高血圧
改善方法
心陰虚の方に有効な養生方法は、次のとおりです。
心臓の疲労を察知し負担を減らす
左側の肩こりや首すじの張り、左肩甲間部の圧痛は、心臓の疲労度を示していることがあります。心臓は、生まれた時から休むことなく、24時間365日働いており、一番過酷な任務をこなしています。その疲れと辛さが心臓周辺の筋肉に反映されているのです。
そこで、心臓が楽に働けるように、周辺環境を良好にしましょう。睡眠不足や疲労の蓄積、慢性的な首肩のこり、さらにイライラや怒りの感情にも注意してください。
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心腎陰虚(心腎不交)(しんじんいんきょ(しんじんふこう))
心腎陰虚(心腎不交)とは、大脳と副腎の潤いが不足して炎症や細胞障害を起こして、認知機能や副腎機能が乱れ、さらに精神状態が不安定な状態です。
主な症状
心腎陰虚(心腎不交)の方が感じる主な症状は、次のとおりです。
・心煩
・息苦しい
・不眠
・心悸
・口や喉の乾き
・耳鳴り
・集中力がない
・落ち着きがない
・腰や膝がだるい
・性機能異常
・性欲減退
・勃起不全
・頻尿
改善方法
心腎陰虚(心腎不交)の方に有効な養生方法は、次のとおりです。
焦りは禁物
こころに潤いがない陰虚の方は、精神的に余裕がなく、不安感や焦燥感が起こりやすいです。何事も焦らずゆっくりとじっくりと行ないましょう。焦れば焦るほど不安緊張感は増幅します。
まず一呼吸、そして深呼吸です。
こころに余裕を作るためには、腹式呼吸を習慣化することです。朝起床前と夜就寝前に実践してください。丹田のある下腹を意識することで、陰部や膀胱を支配する神経を調整することができ、勃起障害や排尿障害を改善します。
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肝腎陰虚(かんじんいんきょ)
肝腎陰虚とは、肝臓と視床下部と副腎の潤いが不足し障害を起こして、自律神経と副腎機能が乱れている状態です。
主な症状
肝腎陰虚の方が感じる主な症状は、次のとおりです。
・身体の熱感
・手足のほてり
・口や喉の乾き
・口渇
・頭のふらつき
・耳鳴り
・盗汗
・疲れ目
・かすみ目
・ドライアイ
・まぶしい
・視力減退
・眠りが浅い
・夢が多い
・筋肉つれ
・手足のしびれ
・月経血少ない
・性欲減退
改善方法
肝腎陰虚の方に有効な養生方法は、次のとおりです。
白内障は紫外線が影響
加齢とともに増加する白内障は、眼のレンズである水晶体が濁ります。加齢による白髪や皮膚のシミと原因が同じといわれ、紫外線の影響が大きいです。
また、糖尿病やアトピー性皮膚炎が原因となることもあります。現在は日帰り手術も可能ですが、進行を遅らせるにはサングラスなどで紫外線から目を守ることと、シミ予防と同様に老廃物を溜めないことです。
緑内障は目の疲れを溜めない
目のスクリーンである網膜と、その映像を脳に伝える視神経に異常をきたします。高眼圧による眼球の視神経圧迫が一般的ですが、視神経の生来の脆弱さや眼底の血流の悪さによる場合もあります。
眼圧は、角膜や水晶体を養う房水の流れが阻害されて上昇します。
進行を遅らせるには、血行を良くし、血圧を上手に管理しましょう。高血圧は眼圧を上げる一因です。疲れ目を放置せず、房水の流れを良くしましょう。目の周りのツボ指圧がお勧めです。
網膜症や黄斑変性症には食事も大切
網膜には細かい血管が張り巡らされ、映像をキャッチして神経に伝えています。血管の詰まりなどで、その網膜の下に新生血管ができて、網膜やその中心部の黄斑にダメージを与えます。
新生血管は正常血管とは違い非常に脆く、血液が停滞し出血を起こしやすいです。かすみや視力低下、飛蚊症、視界のゆがみ、視野中心の暗化、視野欠損さらに失明を起こすこともあります。進行を遅らせるには、食事の見直しが大切です。
ビタミンCやビタミンE、カロテン、不飽和脂肪酸などが豊富な緑黄色野菜や果物は、目の疲れを癒してくれます。
一方、香辛料系の刺激物は目の充血を助長しますので控えましょう。
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肝腎陰虚(肝陽上亢)
肝腎陰虚とは、間脳の視床と視床下部、脳下垂体の潤い不足が進行して、熱気を生じて自律神経とホルモンの働きが大きく乱れ、さらに精神状態も不安定になっている状態です。
主な症状
肝腎陰虚(肝陽上亢)の方が感じる主な症状は、次のとおりです。
・身体の熱感
・手足のほてり
・口や喉の乾き
・ふらつき
・耳鳴り
・盗汗
・疲れ目
・かすみ目
・ドライアイ
・視力減退
・眠りが浅い
・筋肉つれ
・手足のしびれ
・月経血少ない
・無月経
・性機能異常
・頭痛
・顔面紅潮
・目充血
・めまい感
・のぼせ
・イライラ
・怒りっぽい
改善方法
肝腎陰虚(肝陽上亢)の方に有効な養生方法は、次のとおりです。
・キーンという金属音の耳鳴り
高音のキーンという耳鳴りは、鼓膜と耳小骨の潤いが不足して、乾燥しているために、音を過敏に拾い反響するような状態で発生します。
大勢の人の中での声が聞こえづらく、さらに周囲の声や音が反響するので、非常に不快を感じ、精神的にも辛い耳鳴りです。鼻炎などで耳周辺のリンパ節が炎症を起こすことや、更年期によるホットフラッシュ、ストレスが多くイライラ緊張感が強いことが原因で、陰虚の典型的な症状です。
・ジージーと蝉がなくような耳鳴り
ジージーという耳鳴りは、頭痛や肩こり、動悸、血圧変動、貧血などがあり、内耳への血液やリンパ液の循環が悪いことが原因です。長年このような耳鳴りが慢性的に続いている場合は治療が困難な場合があります。
それは、内耳蝸牛が萎み硬くなり、弾力性を失い、聴神経に常にノイズを発生させる状態になっている可能性があるからです。
・耳管開放症
耳閉感でも、慢性化し、特に自分の声が異様に響いたり、呼吸音や脈打つ音を感じたりする場合は、耳管が常に開放している可能性があります。耳管は、平常時は閉じており、嚥下やあくび時に開き、外圧と耳内圧を調整しています。これによって鼓膜の張り具合を調整し、外の音を適切に蝸牛に伝えているのです。
急激な体重減少や長期間炎症にさらされて耳管内の粘膜が乾燥し、枯れるように皺が寄り、閉まりが悪くなることが原因です。漢方では、耳内と鼻内を潤し、粘膜がしっとりと弾力性のある状態に戻すことを目標にします。
・パーキンソン病には音楽で身体の動きを開放
パーキンソン病は、手の振るえや小刻みな歩行、肩腰などの筋肉の硬直、姿勢保持の困難、さらに便秘や血圧の変動など自律神経の症状が生じます。
発病のメカニズムは、身体の運動をつかさどる小脳や中脳の働きが悪くなり、刺激の伝達物質であるドーパミンが涸れることによります。これら脳の連携は錐体外路が関与しており、肝がこれらの領域を支配しています。
自律神経の中枢である視床下部も肝の支配領域であり、肝の陰虚の改善がパーキンソン病のさまざまな症状を緩和することにつながります。
パーキンソンの運動リハビリには、音楽やリズムを利用しましょう。歌ったり音楽を聞きながら身体を動かすと、筋肉への抑制的な意識が開放されて動きやすくなります。
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まとめ
陰虚体質を臓器と結び付けることで、肺陰虚(はいいんきょ)、腎陰虚(じんいんきょ)、肺腎陰虚(はいじんいんきょ)、肝陰虚(かんいんきょ)、心陰虚(しんいんきょ)、心腎陰虚(心腎不交)(しんじんいんきょ)、肝腎陰虚(かんじんいんきょ)、肝腎陰虚(肝陽上亢)(かんじんいんきょ)の8つに分けることができます。
体質改善を進める際の参考にしてみましょう。