気虚とは?ヘロヘロさん体質の改善方法

気虚体質(ヘロヘロ)

気虚とは、こころとからだを動かす気が不足した状態です。

この体質の方を一言でいうと、「ヘロヘロさん」です。

人間が生きるために最も重要なエネルギーである気が不足しています。口数が少なく、声や表情に元気がありません。仕事や家事などですぐにだるさを感じ、ため息が出ます。過労時には動悸や息切れを感じることもあります。

平素もなんとなく手足がだるく、力が入らないことが多いのも特徴です。胃腸を働かせる力も不足して、消化不良や多く食べられないことが多いです。日ごろ元気な人でも、家族の介護や看病などで心身ともに疲れ果てた時には、気虚になることがあります。

参考→体質とは?|気虚体質の説明と改善方法

このページでは、気虚体質をさらに弱っている臓器によって細分化し、それらの改善方法についてもやさしく説明します。

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(目次)

1 脾気虚(ひききょ)
・主な症状・病気
・おすすめの改善方法
2 肺気虚(はいききょ)
・主な症状・病気
・おすすめの改善方法
3 心気虚(しんききょ)
・主な症状・病気
4 まとめ

脾気虚(ひききょ)

脾気虚とは、胃腸の蠕動運動や消化吸収する力が弱く、栄養分を血中に取り込めず、気を産生できず全身の気も不足している状態です。

主な症状

脾気虚の方が感じる主な症状は、次のとおりです。

・疲れやすい
・食欲がない
・多く食べられない
・食後腹張り眠くなる
・排便コントロールが悪い
・胃下垂
・手足のだるさ
・手のひら汗

改善方法

脾気虚の方に有効な養生方法は、次のとおりです。

無理に食べない

食べ物を消化し、そこから栄養素を取り出すためには、エネルギーが必要です。特に、肉や魚などのタンパク質や脂肪を消化して栄養分を吸収するには手間がかかり、エネルギーを多く消費します。

気が不足しているところに、さらに消化で気を減らしては、元も子もありません。脾気虚の方にとって、食べることが辛く苦痛な場合があるのです。

1回の食事量を減らして、食事回数を増やし、一度に無理に食べないことがお勧めです。また、消化酵素が活性化する36~38℃が胃腸の適温ですので、お腹を冷やさないように注意してください。

胃腸の蠕動運動を応援する

胃腸が蠕動運動を十分に行なえるように、お腹の「の」の字のマッサージと腹式呼吸を朝起床時と夜就寝前に習慣化してください。お腹のマッサージでは、胃から小腸、大腸をやさしくマッサージして、元気付けるように刺激してください。

腹式呼吸では、腹筋と横隔膜を大きく動かし、胃腸の活動を活気付けましょう。仰向けで足を枕に載せ高くして腹式呼吸を行なえば、胃下垂の改善にもなります。胃腸が動くようになれば、消化吸収が促進され、胃の不快感が改善され食べられるようになります。

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肺気虚(はいききょ)

肺気虚とは、肺の呼吸する力が弱く、酸素を血中に十分に取込めず、酸欠になりやすく気が不足して、さらに身体を守る免疫力も低下している状態です。

主な症状

肺気虚の方が感じる主な症状は、次のとおりです。

・疲れやすい
・息切れ
・呼吸困難
・汗をかきやすい
・暑さ寒さに弱い
・風邪を引きやすい
・長引く咳

改善方法

肺気虚の方に有効な養生方法は、次のとおりです。

肺胞を元気に保つ

肺気腫やCOPDでは、喫煙や慢性気管支炎により、酸素を取り込む肺胞が傷んで、呼吸が苦しくなります。

肺は左右に5葉あり肺胞は全体で数億個あり、安静時には全体の20%程度しか使われていません。肺の奧の方には、まだ元気な肺胞があるはずです。

大きく深い呼吸を心掛けて、元気に残っている肺胞を維持するようにしましょう。

呼吸筋を鍛え呼吸力を高める

腹式呼吸によって呼吸筋を鍛えて、肺に空気を十分に取り込める身体にしましょう。

仰向けになり鼻から息を大きく吸い、その息をお腹に一旦溜めように膨らませ、ゆっくりと口から吐きます。この時に横隔膜と腹筋の動きを意識してください。朝起床前と夜就寝前にこの動きを10回繰り返してください。

毎日継続することで、空気が肺の奥まで行き渡り、多くの肺胞から酸素を取り込め、息切れやだるさが軽減して、さらに風邪を引きづらくなります。汗腺の調節が良くなり、異常な発汗が減り、寒さにも強くなります。

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心気虚(しんききょ)

心気虚とは、心臓の血液を循環させる力が弱く、酸素と栄養分を全身に送り出せず、気力や体力を十分に維持できない状態です。

主な症状

心気虚の方が感じる主な症状は、次のとおりです。

・疲れやすい
・動悸
・息切れ
・息苦しさ
・立ちくらみ
・めまい
・汗をかきやすい
・動くとすぐ疲れる
・顔色蒼白

改善方法

心気虚の方に有効な養生方法は、次のとおりです。

起立性調節障害は腹式呼吸

急に立ち上がっても自律神経の働きで、血圧や心拍数は調整されています。起立性調節障害では、副交感神経から交感神経への切り替えが悪く、立ちくらみや動悸が起こり、激しい場合は脳貧血となり気力や思考力も低下します。

身長が伸び盛りの中学生に多く、身体の成長の速さに自律神経の調節が追い付かない状態です。朝起きられない場合は、腹式呼吸を大きく10回行なってください。

さらに徐々に上体を起こしながら、肘と肩、膝、股関節など手足を関節の屈伸運動をそれぞれ10回行なってください。これを繰り返すことで、徐々に朝起きられる身体になります。

慢性心不全は腹式呼吸と適度な運動

高血圧症を長年患った高齢者は、年齢とともに動脈硬化が進行し、心筋への酸素と栄養分の供給が低下して、心臓が徐々に衰えて慢性心不全になる傾向があります。

息切れや急激な血圧低下、立ちくらみ、夜間排尿の増加などがその特徴で、息苦しさが強く下肢のむくみが酷く、他の症状が悪化した場合は、心陽虚の心不全となります。これを予防するためには、腹式呼吸と適度な運動がお勧めです。

腹式呼吸は、朝起床前と夜就寝前に続けることで、自律神経の働きを良くして心臓の働きを助けます。

また、適度な運動は、筋肉の伸縮による血管への刺激と関節運動により、血液とリンパ液の流れを促進し、心臓への過度の負担を減らし、さらに心拍数を多少上昇させることから、心筋を鍛えることができます。

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まとめ

気虚体質を臓器と結び付けることで、脾気虚(ひききょ)、肺気虚(はいききょ)、心気虚(しんききょ)の3つに分けることができます。

体質改善を進める際の参考にしてみましょう。