血瘀とは、こころとからだの老廃物を運ぶ血の流れが悪く、全身または部分的に血が余剰して停滞している状態です。
この体質の方を一言でいうと、「シブシブさん」です。
酸素を運ぶ赤血球や出血を防ぐ血小板は過剰な傾向があり、これによっても血液の粘性が増加して流れづらくなります。動脈や静脈、毛細血管に汚れが沈着して、血管は硬く狭くなり、心臓への負担が大きくなります。
骨盤内の血行が悪くなり古血が停滞すると、子宮や卵巣の働きを阻害します。老廃物の多い古血の影響は、肌や皮膚、歯茎などにも現れます。
このページでは、血瘀体質をさらに弱っている臓器によって細分化し、それらの改善方法についてもやさしく説明します。
体質の判定
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(目次)
1 心(血管)血瘀(しん(けっかん)けつお)
・主な症状・病気
・おすすめの改善方法
2 三焦(骨盤)血瘀(さんしょう(こつばん)けつお)
・主な症状・病気
・おすすめの改善方法
3 肺(皮膚)血瘀(はい(ひふ)けつお)
・主な症状・病気
・おすすめの改善方法
4 まとめ
心(血管)血瘀(しん(けっかん)けつお)
心(血管)血瘀は、血管内に老廃物が停滞して、壁が厚く硬化して狭くなり、さらに新鮮な血液の供給が阻害され、ついには梗塞を起こす状態です。
主な症状
心(血管)血瘀の方が感じる主な症状は、次のとおりです。
・動脈硬化
・高血圧
・肩こり
・頭痛
・ふらつき
・めまい
・のぼせ
・胸痛
・歩行困難(間欠性跛行)
・あざ
・静脈瘤
改善方法
心(血管)血瘀の方に有効な養生方法は、次のとおりです。
生活の中に適度な運動を取り入れる
同じ姿勢を長時間続けることは、血行を阻害して血瘀を助長します。デスクワークや座り仕事の方は、1~2時間に1回は立ち上がり、膝や股関節などを屈伸しましょう。
心臓から離れたふくらはぎの筋肉を伸縮させることで、下肢の静脈を押圧刺激して、静脈血の流れを促進します。パソコンでの肩こりや眼精疲労は、頭部への血流の低下のサインです。手首や肘、肩の関節を屈伸して、さらに首を大きくゆっくりと回しましょう。
立ち仕事の方は、腰の重だるさを感じる前に、膝や股関節を曲げ伸ばし、腰の前屈と背屈を行ないましょう。血液の流れを維持して、血管内に淀みを作らないようにします。
また、肥満は身体的な体積が増大し、血液を供給するエリアが増え、心臓の仕事量を増やします。食事による体重管理にも注意しましょう。
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三焦(骨盤)血瘀(さんしょう(こつばん)けつお)
三焦(骨盤)血瘀とは、子宮や卵巣、肛門周囲などで老廃物が停滞し、新鮮な血液の供給が阻害されて機能が乱れている状態です。
主な症状
三焦(骨盤)血瘀の方が感じる主な症状は、次のとおりです。
・生理痛
・生理不順
・不正出血
・月経血塊
・手足の冷え
・のぼせ
・肩こり
・便秘
・腰痛
改善方法
三焦(骨盤)血瘀の方に有効な養生方法は、次のとおりです。
子宮筋腫の進行防止と随伴症状の改善
筋腫は、癌とは違い怖いものではありません。なぜなら、増殖が遅いことと転移しないことです。筋腫を構成する細胞の性質もガン細胞や肉腫細胞より正常細胞に近いと言われています。
また、筋腫がガンに変わる確率は低いもので、正常の細胞がガン化する確率とあまり変わらないとの報告もあります。漢方では、子宮筋腫の進行をくい止めることができます。
また、随伴症状である過多月経や下腹部痛、不正出血、貧血などを改善することもできます。
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肺(皮膚)血瘀(はい(ひふ)けつお)
肺(皮膚)血瘀とは、皮膚に老廃物が停滞して、さらに新鮮な血液の供給が阻害され、皮膚や鼻粘膜、声帯などの機能が乱れます。
主な症状
肺(皮膚)血瘀の方が感じる主な症状は、次のとおりです。
・しみ
・皮膚赤黒色
・肌荒れ
・唇歯茎紫色
・ニキビ
・吹き出物
・声枯れ(嗄声)
改善方法
肺(皮膚)血瘀の方に有効な養生方法は、次のとおりです。
原因特定と高温多湿時の汗に注意
接触性皮膚炎は、いわゆるかぶれから始まります。洗剤や薬品、金属、衣類などとにかく体に触れるものはアレルギーを起す可能性があります。しかも、これらの刺激となるものが繰り返し皮膚に触れることによって発症します。
アレルギーの原因となる金属や化学物質などを、まず特定して接することがないように遠ざけましょう。ネックレスなど金属の場合は汗によって悪化します。
外部刺激によるアレルギー反応と血瘀
ビダール苔癬は、項部にできる湿疹が慢性化し、皮膚がやや盛り上がりカサブタのように硬くなります。
中年期の女性に好発し、ネックレスなどの金属類や、シャンプーやリンス、毛染剤などの化学薬品によるかぶれが原因とされています。接触性皮膚炎と異なる点は、皮膚炎が慢性化し、苔癬化することですが、この背景には首すじや肩の慢性的なコリによる血行障害が関与しています。
老廃物に満ち汚れた血液が項部に溜まり、新鮮な血液がめぐってこない血瘀の体質が、皮膚を苔癬化するのです。
ニキビの改善は薄いところから
ニキビの改善には、食事内容に注意することが大切です。香辛料系の辛い物やチョコレート、ナッツ類は控えましょう。
漢方の治療を開始すると、浅く色の薄いニキビが最初に治っていきます。色の濃いニキビが目立ち、悪化したように見えることがありますが、徐々に全体的に改善していきます。
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まとめ
血瘀体質を臓器と結び付けることで、心(血管)血瘀(しん(けっかん)けつお)、三焦(骨盤)血瘀(さんしょう(こつばん)けつお)、肺(皮膚)血瘀(はい(ひふ)けつお)の3つに分けることができます。
体質改善を進める際の参考にしてみましょう。