血虚とは?フラフラさん体質の改善方法

血虚(フラフラさん)

血虚とは、こころとからだに酸素と栄養分を供給する血が不足した状態です。

この体質の方を一言でいうと、「フラフラさん」です。

心身に酸素と栄養分を供給する血が不足しています。酸素と栄養分を大量に必要とする臓器や器官に支障が生じます。

脳では記憶力の低下や精神疲労を生じ、子宮卵巣では生理痛や月経困難、皮膚や毛髪では艶がなく肌荒れや脱毛が起こります。

参考→体質とは?|血虚体質の説明と改善方法

このページでは、血虚体質をさらに弱っている臓器によって細分化し、それらの改善方法についてもやさしく説明します。

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(目次)

1 肝血虚(かんけっきょ)
・主な症状・病気
・おすすめの改善方法
2 肝心血虚(かんしんけっきょ)
・主な症状・病気
・おすすめの改善方法
3 心脾血虚(しんひけっきょ)
・主な症状・病気
・おすすめの改善方法
4 まとめ

肝血虚(かんけっきょ)

肝血虚とは、酸素と栄養分を供給する血が間脳で不足して、視床と視床下部の機能が低下して、視覚や自律神経、ホルモンに影響が現れている状態です。

主な症状

肝血虚の方が感じる主な症状は、次のとおりです。

・生理痛
・月経血少ない
・不正出血
・熟睡感がない
・疲れが取れない
・皮膚に艶がない
・爪がもろい
・毛髪に艶がない
・抜け毛
・頭のふらつき
・めまい
・疲れ目
・かすみ目
・ドライアイ
・筋肉つれ
・手足のしびれ

改善方法

肝血虚の方に有効な養生方法は、次のとおりです。

つらい子宮内膜症を応援する

子宮内膜症は、月経により増殖して剥がれ落ちる子宮内膜の機能が、それ以外の部位である子宮筋層や卵巣などに起こり、激しい月経痛や多量の月経血、さらに生理時以外にも腰痛や下腹部痛を生じます。

出血が多く続く方はさらに血虚が進行します。現代女性は、初潮から出産までの期間が長く、しかも出産回数が少ないため、生涯の月経回数が多くなる傾向にあります。これが子宮内膜症を辛くさせて、近年特に20・30代の女性に子宮内膜症が増えている要因と考えられます。

婦人科でのホルモン剤による治療中でも、生理休止による不快な症状などを漢方で根本から改善することができます。

妊娠へ向けての間脳を健やかに

視床は視覚など感覚神経の中継基地であり、視床下部はそれに隣接して、自律神経や情動を調整しています。パソコンやスマホでの目の使い過ぎは、後頭部痛や首筋の凝りや精神的な緊張ストレス状態を引き起こし、視床や視床下部へ負担を掛けます。

また、脳下垂体にも悪影響を与えて、乳腺を刺激するプロラクチンの分泌が増え、排卵を抑制して不妊症になる場合もあります。間脳への血流を良くして酸素と栄養分を十分に供給できる身体にしましょう。

子宮は胎児のベッド

受精卵が着床し、生育の場となる子宮には、適度な温もりと栄養が必要です。長時間座って仕事をする方は、下肢の冷えに注意して、1時間ごとに立ち上がり歩き、定期的に下肢の血行を促進して子宮と卵巣へ酸素と栄養分を送り込むようにしてください。

長時間のパソコンでのデスクワークで、肝血虚になっている女性が多いです。また、不妊治療のクロミッドなどの排卵促進剤によって子宮膜が薄くなる場合があります。受精卵が確実に着床して育てることができるように、子宮への血流を確保して居心地の良い状態に保ちましょう。

愛情の結実が妊娠

精子と卵子の出会いには、男女の出会いと同じようにドラマがあります。お互いの愛を感じながら楽しみを持って交わりましょう。マンネリ化を防止して、旅行など気分を変えることも、お互いの気持ちを高めて、生殖力の向上につながります。

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肝心血虚(かんしんけっきょ)

肝心血虚とは、酸素と栄養分を供給する血が間脳と大脳で不足し、視床下部と松果体、大脳とのネットワークの機能が低下して自律神経や睡眠リズム、精神作用、運動機能に影響が現れている状態です。

主な症状

肝心血虚の方が感じる主な症状は、次のとおりです。

・不眠
・煩躁
・頭のふらつき
・動悸
・めまい
・盗汗
・疲れているのに眠れない
・熟睡感がなく疲れが取れない
・口や咽の乾燥
・精神疲労

改善方法

肝心血虚の方に有効な養生方法は、次のとおりです。

腹式呼吸で自律神経を調整する

視床下部は、自律神経を調整してリラックスした状態にするだけでなく、睡眠や摂食などの本能的な行動を直接調節しています。

そこで、夜就寝前に仰向けになって、腹式呼吸を実践してください。呼吸がゆったりと落ち着くと、脈拍や血圧も安定して、自律神経の副交感神経が優位になり、睡眠しやすい状態になります。

朝日を浴びて睡眠リズムを調整する

早く寝ようと思うより、早く起きることを心掛けてください。よく眠れなかったとしても、一度起床して朝日を浴びるようしてください。

その後にまた寝てもよいですが、朝日によって松果体からメラトニンホルモンの分泌が促され、体内時計が調整され睡眠のリズムが改善します。昼間に身体の動きが少なく、身体が疲れていない時は、朝日を浴びて運動を開始してください。

5分くらいの簡単な運動で十分です。

間脳と大脳のネットワークが乱れ安眠を妨害する

むずむず脚症候群は、夜になると足がむずむずイライラして眠れなくなります。周期性四肢運動障害は、ピクピクと足が動いて安眠を妨害して眠りが浅くなります。これらは高齢者に発症する傾向があります。

夢遊病や寝言、てんかんは、小児に発症する傾向がありますが、高齢者ではレビー小体型認知症の初期に発症することがあります。

いずれも漢方では肝心血虚として捉えて、間脳と大脳のネットワークを改善していきます。

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心脾血虚(しんひけっきょ)

心脾血虚とは、消化吸収力が低下して、血を増やせず、心臓の働きも低下して、全身への酸素と栄養分の供給がさらに低下します。脳への血流も不足して精神活動も低下している状態です。

主な症状

心脾血虚の方が感じる主な症状は、次のとおりです。

・貧血
・立ちくらみ
・動悸
・不安
・疲れているのに眠れない
・熟睡感がなく疲れが取れない
・物忘れ
・疲れやすい
・食欲不振
・排便コントロールが悪い
・内出血しやすい

改善方法

心脾血虚の方に有効な養生方法は、次のとおりです。

食事で貧血対策

胃腸の働きが低下していますので、消化の良い温かいものを食べましょう。

さらに、鉄分を補える食材を選びましょう。肉や魚などの動物性食品に含まれるヘム鉄は、体内への吸収率が高く、植物性食品や卵・乳製品に含まれる非ヘム鉄は、吸収率が低くなります。

非ヘム鉄でも、良質なタンパク質やビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取することで吸収率を高めることができます。

認知症は感情を安定させる

一時的に保存された海馬の記憶は、短期的で感情や意思がないと、大脳へしっかりとした記憶されません。健康な人でも、感動して心が動かされると記憶が深く強くなり、一方イライラや不安感があると、集中できなくなり、記憶力は低下します。これは海馬のそばにある扁桃が関与しています。

認知症の進行と悪化を防止するためには、感情を安定化させることが大切です。認知症の方の言行に対して、家族や親しい方は感情的になってしまいがちですが、上手にとぼけて冗談を言ってかわしてください。介護者がイライラしたり、動揺したり焦ってはいけません。

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まとめ

血虚体質を臓器と結び付けることで、肝血虚(かんけっきょ)、肝心血虚(かんしんけっきょ)、心脾血虚(しんひけっきょ)の3つに分けることができます。

体質改善を進める際の参考にしてみましょう。